革新的な死亡時画像診断

医療のIT化が進むにつれて最も革新的な取り組みの一つと言えば、死亡時画像診断(AI)だろう。これは、画像によって死因を検証するものだ。
従来ならば遺族の希望や事件性が疑われる場合、死因を特定するために解剖で遺体を傷つけなければならなかった。しかし死亡時画像診断ならばコンピューター断層撮影やMRIを行うことにより、無傷で検証を終えることができる。
これには遺族の心情的な負担を軽減する効果があると共に、医師の負担減少や業務の時短に貢献することができる。また、昨今問題になっている医療ミスによる訴訟問題に対しても、明確な検証結果を提示することができる。

この取り組みは、医師不足を解消する役割も果たしている。東京都を例に挙げると、行政解剖を除き、解剖資格を持つ医師の不足により極めて低い解剖率となっている。

病院内での不審死についても、明確な死因が分からぬまま遺族へ引き渡されるケースが少なくない。
それを解決するのが死亡時画像診断であり、行政と医師と遺族、三者の要求を満たす取り組みであると言えるだろう。
また、前述の死因について不明確さにより、遺族が病院に対して不満を抱き何らかのトラブルを引き起こすケースは少なくない。
しかし死亡時画像診断によって病院から遺族への死因説明がより正確なものとなり、遺族との関わり合いが良好になることが期待される。

ここに挙げた死亡時画像診断をはじめ、医療のIT化は着実に進んでいる。それに伴い、IT技術の導入が進む医療現場で活躍できる人材の需要も高まっている。